選ぶということ
最近選ばれないんです。最初は結構選んでもらえてたんですけど、最近そうでもなくて。ほら、「選ばれたのは、綾子でした」ってやつあるじゃないですか。あの言葉が割と自分の支えというか、いろんなのがある中で自分なんだぞって、んー、何ていうか
プライド?
そうプライド、なのかな。だからこう、、、選ばれなくなっちゃった私って、一体何なんだろうって。意味あんのかなって。
まずね、選ぶ選ばないって、あなた自身で決められないでしょ。言っちゃえば自己評価が他者に依存してるわけ。それ自体が完全に悪いとまでは言わないけど、バランスってあるじゃない。お茶で言えばね、甘すぎても渋すぎてもダメなわけ。
なる、ほど、、、(キャップが緩みはじめている)
他者からの評価だけで自分を評価しちゃ駄目よ。自分はこうなんだって、認めてあげないと。コピーに引っ張られすぎよ。自分の人生を生きなきゃ。
(キャップの隙間から茶が溢れ出す)
大丈夫。ここで泣けるなら大丈夫。響いてるってことだから。ね。ほら、これ見て。
ぇ、、、綾子だ、、、先生、、、飲んでくれてるんですか、、、、
結局僕が選んだのは、綾子でした。ってね。これからも選ばせてよ。ね。
せんせえええええええええ(ラストスパートの勢いで溢れる茶)
あーら、もう空っぽだ。もっと飲ませてよ。
はい\\\\\\\\\\\\\\\(無数の茶柱)
こうして綾子の第二の依存が始まった。
結局他者依存を抜け出せていないことに、気付く日は来るのか。
未来は濁ってよく見えない。